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認定NPO法人乳房健康研究会

理事長あいさつ

福田先生

乳がんに罹る人は毎年増えています。現在は、11人に1人の日本人女性が生涯の間に乳がんに罹り、2020年頃には毎年10万人の女性が乳がんに罹ると推計されています。また、乳がんは30歳代後半から急激に増加し、40歳代後半に罹患の1つ目のピークがある、働き盛りの女性に多い疾患です。さらに、診断や治療が進歩した現在でも、乳がんになった女性の約20%が乳がんで亡くなる現実があります。
2000年5月、日本でマンモグラフィ検診が開始された年に、乳房健康研究会が日本最初のピンクリボン運動団体として発足しました。その後、当研究会はNPO法人、認定NPO法人と発展しながら、日本のピンクリボン運動を牽引してきました。当研究会では、医療者と様々な専門家がチームを組み、一般の人、患者、企業、行政、マスコミなどを広く巻き込む運動を展開してきました。その内容は、乳がんに関する正しい情報の発信、早期発見のための啓発、乳がん検診に関する調査、高い精度の乳がん検診の普及、乳がん検診受診率向上、新しい診断・治療法の普及、乳がん患者・家族の支援、政策立案者・実行者への働きかけ、がん教育への関わり、など多岐にわたります。
乳がん検診においては、J-STARTの結果で40歳代の超音波検診の有用性が分かってきたことより、超音波検診実現についての論議が続いています。また、ハイリスクグループに対する検診が議論されるようになりました。さらに、リキッドバイオプシーなど、画像診断以外の検診方法の研究が進んでいます。今後、乳がん検診は、それぞれの受診者の乳がんリスクに合わせた個別化の方向に向かうことも見えてきました。一方、乳がん検診の不利益が無視できないことが明らかになりました。代表的な不利益として、デンスブレスト、過剰診断、検診コスト、偽陰性、偽陽性などがあり、それに対する研究や議論が進んでいます。ピンクリボン活動を行うためには、乳がん検診の不利益についても理解しなければなりません。
2000年以降、日本では様々な団体や企業や自治体が主導する形でピンクリボン運動が発展しました。その中心の当研究会は、それまでの運動形式に加え、個人が主導する活動が必要と考え、2013年にピンクリボンアドバイザー制度を立ち上げました。現在、乳がんについての最新の正しい知識を持ち、高い志で活動を行う、1万人を超す初級・中級・上級のピンクリボンアドバイザーが全国で活躍しています。
2016年12月、がん対策基本法が改定され、「がん教育の推進」が決まりました。その一環として、中学校、高等学校でのがん教育が始まりました。当研究会は、がん教育のための教材を作るとともに、がんを経験したピンクリボンアドバイザーを対象にがん教育の外部講師になるためのプロジェクトを開始しています。すでに、外部講師として認定されたピンクリボンアドバイザーが、がん教育の現場で活躍を始めています。全国には、多くの中学校、高等学校があります。今後、多くのピンクリボンアドバイザーに、がん教育に参加していただきたいと考えています。
2020年、乳房健康研究会は発足20年を迎えます。乳がんで亡くなる人を1人でも減らし、乳がん患者さんやその家族にとって優しい社会を作るために、当研究会のさらなる発展が必要です。

記:2019年8月24日

福田 護(在任期間 2014~現在)

認定NPO法人乳房健康研究会理事長

聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージングセンター院長

認定NPO法人乳房健康研究会 概要

乳房健康研究会は、2000年春、乳がんによる死亡率低下を願う4人の医師(霞富士雄、福田護、野末悦子、島田菜穂子)によって発足した日本初の乳がん啓発団体です。
乳がん死亡率低下の大切なポイントは、早期発見、早期治療です。乳房健康研究会では、乳がん早期発見のための環境づくりを推進してきました。
ピンクリボンバッジ運動はじめ、出版・調査活動、セミナーやウオーキングイベントの開催などの啓発活動を通し、乳がんに関する正しい情報の発信と、死亡率低下に貢献するための活動を展開しています。

理事長 福田 護
所在地 〒215-0004  神奈川県川崎市麻生区万福寺6-7-2
聖マリアンナ医科大学 ブレスト&イメージングセンター内
運営事務局 〒104-0045 東京都中央区築地1-4-8 築地ホワイトビル1002
電話 03-6278-8720(平日10時~17時)
FAX 03-3545-6545
e-mailinfo@breastcare.jp
NPO法人設立 2003年2月18日
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