アイコン

乳房健康研究会 アニュアルレポート2021

「乳がんの早期発見、早期治療による死亡率の低下」を目指し、2000年に誕生した当会が20周年を迎えた。新たな10年を見据え活動目標を掲げる一方で、新型コロナウィルス感染症パンデミックが猛威を振るう中、新たにWEBを用いた活動に本格着手。「乳がんを正しく理解し一人によりそう社会の実現、乳がんで命を落とす人を2030年までに1万人以下にする目標にむかって、新たな一歩を踏み出した。

2020活動

20周年事業 Global Conference on Breast Health開催

1. ピンクリボンアドバイザー制度の充実

2. ピンクリボンアドバイザーによるがん教育

3. コミュニケーション強化と的確な情報提供

4. 関連NPO団体や企業との連携
“ピンクリボンネットワーク”


乳房健康研究会のあゆみ2000~2020年

乳房健康研究会を支援するプログラム

1. 20周年記念事業 Global Conference on Breast Health

2. ピンクリボンアドバイザーによるがん教育

3. ピンクリボンアドバイザー認定試験結果

過去のアニュアルレポート

1. 20周年記念事業 Global Conference on Breast Health

これからの10年の活動を見据えて、大きな目標を掲げた。ピンクリボンの認知率は90%を超えているものの乳がん罹患者数は年々増え、乳がん死亡者数は増加している現状。2030年までの10年間でピンクリボンアドバイザーを10万人にし、乳がんによる死亡者数を1万人以下にする目標を掲げ、記念事業としてにGlobal Conference on Breast Healthを開催した。

開催は中村清吾先生副理事長のがセンター長を務める、昭和大学病院ブレストセンターが開設10周年との共催とした。新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界中に甚大な影響を与えている事を考慮し、WEB開催となった。世界をリードしている先生方に、各国の考え方や取り組みを伺い、個々の発症リスクに応じた検診の在り方を議論。締めくくりとして、理事長の福田護より共同宣言を発出した。

また、同日、ピンクリボンアドバイザーアニュアルミーティングピンクリボンアドバイザーアワード2020も開催し、全国各地のピンクリボンアドバイザーのさまざまな活動事例を学んだ。


設立以来、当会が目指していた検診は、対策型検診であり、マンモグラフィ検診の受診率向上に力を注いできた。20年が経ち、欧米、アジア諸国では乳がん検診でも「個別化医療」 が従前となっている。日本女性は高濃度乳房の比率が高いことが知られるようになり、遺伝性乳がんの検査が保険適用となり、「個別化検診」に向かう時代となった。各国の取り組みを学び、議論し、日本における個別化検診の実現に反映させたい。

ピンクリボンアドバイザー
2020活動発表

小見出し画像

島田 菜穂子(ピンクリボンブレストケアクリニック表参道院長): 座長
片岡 明美 (がん研究会有明病院 乳腺センター医長)
土井 卓子(湘南記念病院乳がんセンター長)

奨 励 賞:  発表者全員

特 別 賞:
齊藤 千春  『乳がん検診のすすめ』
阪本 美奈子 『若い方にもがんについて知ってもらいたい』

20周年記念特設サイトを開設 

小見出し画像

乳房健康研究会20周年特設サイト<https://breastcare20th.com/>を設け、Global Conference on Breast Healthの告知、プログラム、視聴画面設置、20周年のあゆみ動画、20周年へのメッセージや企業バナー等を設置した。またM3社のサイトにもコンテンツを提供した。

Global Conference on Breast Health アンケート結果

小見出し画像

あなたはどの程度満足しましたか?

Global Conference「高濃度乳房、遺伝性乳がん、ハイリスク群(HBOC,etc.)のための乳がん個別化検診 」を 受講していかがでしたか?

企業セッションのうち、あなたが視聴したものをすべてお知らせください

2.ピンクリボンアドバイザーによるがん教育

国民の2人に1人が生涯のいつか「がんに罹患」する時代が到来し、学校教育として「がん教育」の必要性が法的に定められ、がん経験者に外部講師として、がんを自分事として考えてもらう授業を実施。

文部科学省のガイドラインに沿って、全国にいるピンクリボンアドバイザーが自らの実体験を生活に密着した言葉を使いながら伝える授業を提供。コロナ禍により、予定されていた多くの学校での授業が中止となったが、首都圏の中学校・高等学校5校で授業を展開した。

助成:花王グループ、株式会社ワコール、キヤノンメディカルシステムズ株式会社、株式会社アートネイチャー、アジレント・テクノロジー株式会社

2020年度実施校一覧
学校名 対象 人数
桜林高等学校 1,2年生 280
豊島区立巣鴨北中学校 3年生 38
富士見高等学校 1年生 240
東京女子学院中学校高等学校 中学、高校 265
駒沢学園女子高等学校 2年生 45
【制作物・教材等】
説明スライド

ピンクリボンアドバイザーのことばが、子どもたちの心を動かします

授業の満足度 97%

授業の分かりやすさ 89%

がん検診を受診しようと思いますか 94%

がん検診を勧めようと思いますか 92%

授業の様子と生徒の感想
がんは早く見つけることで命を救うことができ、誰かに検診をすすめることで、その人の命を守ってあげられることを知りました。また、私自身がんの人に対して応援したり普通に接することが大切だと思いました(中3) 検査をくわしく教えていただいたので、逆に不安がなくなり前向きに大人になったら受けたいと思いました。(高1)
ピンクリボンアドバイザーがん教育養成講座

がん経験を持ったピンクリボンアドバイザーが、がん教育講師としての研修を終了し、全国の中学、高校で自身の経験を通して、生徒の健康意識の向上、未来の検診受信率アップに貢献します。今年は京都と東京で2回開催。
●開催日時:2020年2月9日(日)
 開催場所:ワコール新京都ビル
 受講人数:30名
●開催日時:2020年11月23日(月)
 開催場所:TKP品川カンファレンスセンターアネックス
 受講人数:20名

3. ピンクリボンアドバイザー認定試験結果

第9回認定試験により、ピンクリボンアドバイザーは延べ16,000人超に

2020年12月に第9回試験を実施。今回はコロナ対策として初のWEB受験(初級)も採用した。また会場受験を棄権した方の措置として、翌年度への振り替え受験を可能とした。
【初級】申し込み1,022名, 合格者941名
【中級】申し込み393名, 合格者196名
2021年1月現在のピンクリボンアドバイザーは延べ
【初級】13,672名,【中級】2806名
【合計】16,478名
となった。

【第9回初級合格者データ】

■男女比:女性が約9割を占める
■年齢:平均41.3歳
■職業:昨年に続き会社員等の割合が大きく増え、医療関係者の割合を超えた
【第9回中級合格者データ】
■男女比:初級と同様に女性が約9割近くを占める
■年齢:平均年齢44.7歳、初級より高め
■職業:医療関係者が最も多いが、会社員等の割合が増えた
【初級受験者:受験場所比率】
■7割の受験生がWEB受験を採用
第3回ピンクリボンアドバイザー上級認定研修会
2019年に続き、4回目となる上級認定研修会を企画。今回はコロナ対策としてWEB開催に切り替え、予定を1月へ変更した。研修会では、昨年認定されたピンクリボンアドバイザー【上級】4名に、グループワークのファシリテート、運営アシスタントとして参加してもらった。ランチタイムには、受講者の自己紹介スライド(1人20秒程度)を上映し、好評だった。
●開催日時:2021年1月9日(土)、3月14日(日)
●開催場所:WEB、ZOOM
●受講人数:16名

過去のアニュアルレポート

▼ 乳房健康研究会 アニュアルレポート2021 全編はこちらからご覧ください。▼