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ブレストケアと乳がん検診

「乳がんはまだ私には関係ない」と思っていませんか?

壮年層女性のがん死亡原因のトップ

今、日本女性の11人に1人が乳がんにかかるといわれています。亡くなる方は年々増加し、今では1年間に約1万3千人。ここ30年の乳がんの急激な増加は、食生活やライフスタイルの変化がエストロゲン(女性ホルモン)の分泌に影響しているためとみられています。乳がんは女性の壮年層(30~64歳)のがん死亡原因のトップになっているにもかかわらず、無関心な人が多いのも現状です。

最もかかりやすいのは40代

「乳がんはまだ私には関係ない」と思っていませんか?乳がんにかかる人は30代から40代にかけて急増します。ピークは40代後半~50代。「閉経後は大丈夫」「50歳過ぎたら乳がんにならない」ということもありません。また、若いからといって油断はできません。乳がんは何歳でもかかる可能性があります。
家族や親戚に乳がんがいない、出産・授乳経験があるから大丈夫。ということもいえません。つまり、乳がんにならない、といえるひとは一人もいないのです。

早期なら約90%が治癒します

残念ながら、現在乳がんの予防法はありません。しかし早期発見であれば、約90%の人が治癒します。決して怖い病気ではありません。早期発見のために、セルフチェックや検診が大切なのです。

マンモグラフィと超音波検査

マンモグラフィは、ごく小さな石灰化を発見

マンモグラフィは、乳がんの初期症状の1つの石灰化を写し出すことができます。乳房が大きく深部まで超音波が届かない方、閉経後で乳腺が萎縮し、その代わりに乳房の多くが脂肪に置き換わっている方などは、マンモグラフィが適しています。
また、マンモグラフィは過去のフィルムとその都度比較ができるため検診に用いられます。

超音波の反射でしこりを発見

超音波検査(エコー)は、人間の耳には聞こえない音を機械から発し、臓器に音を当てて返ってくる反射の様子を画像にしているものです。超音波を出す器具を直接乳房に乗せて動かし、写し出された画像を見ながら診断を行ないます。超音波は数ミリの手に触れないしこりを見つけ出すことができます。放射線被曝を避けたい妊娠中の方、若年の方、乳房の圧迫に耐えられない方、強い乳腺症などで良好な撮影ができない方、頻繁に検査をする必要のある方などに超音波検査が適しています。

マンモグラフィは早期の乳がんも発見できる乳房専用のX線撮影のことです

乳房はやわらかい組織だから、専用の装置で撮影

マンモグラフィは、乳房のX線撮影のことです。乳房はやわらない組織でできているため、専用のX線撮影装置を使用します。乳がんをはじめ乳房にできる病気をほとんど見つけることができ、しこりとして触れないごく早期の乳がんも発見できます。

撮影にかかる時間は20分程度

通常の検査では、立体的な乳房全体が撮影フィルムの中にも写しだせるように、一方の乳房につき2方向の撮影を行ないます。撮影は更衣から撮影終了フィルム確認まで含めて約15分から20分程度です。

マンモグラフィは早期乳がんのサインの石灰化や腫瘍などを写し出します

フィルムを比較して組織の微妙な変化をとらえる

マンモグラフィは、乳がんの初期症状の1つである石灰化や腫瘍などを発見できます。特に、早期乳がんの唯一のサインである、ごく小さな石のような石灰化を鮮明に写し出せるのが大きな特徴です。マンモグラフィは乳腺の全体像を写し出すので、左右を比較して診ることができます。また、過去のフィルムと比較することによって、組織の微妙な変化をとらえることができます。

X線の量はごくわずかで、被曝による危険性はほとんどありません

放射線の害より、早期発見のメリットの方がはるかに大きい

マンモグラフィはX線検査なので、放射線被曝がありますが、乳房だけの部分的なもので、骨髄などへの影響はなく、白血病などの発生の危険はありません。1回の画像の撮影で受ける放射線の量は、東京からニューヨークへ飛行機で行くときに浴びる自然放射線(宇宙線)とほぼ同じ量。マンモグラフィ撮影による危険性はほとんどないと思っていいでしょう。それより、撮影によって早期乳がんが発見できることのメリットの方がはるかに大きいのです。

妊娠中の方はご注意ください

妊娠中の方、妊娠の可能性のある方はお申し出ください。放射線に対して感受性の高い胎児への被曝を最小限にするために、検査方法などを検討させていただくことがあります。

立体的で厚い乳房を正しく撮影するために、圧迫する必要があります

圧迫することで放射線も少なくなります

マンモグラフィ撮影では乳房を圧迫板ではさみます。この際に痛みを感じることもありますが、痛みのレベルは個人差があります。これは、診断に必要な良い写真を撮るためには、とても重要なのです。乳房は立体的で厚みもあり、そのまま撮影すると乳腺や脂肪、血管などの重なりで、実際に腫瘍があっても写し出されないことがあります。また圧迫により、放射線の被曝量を少なくするという効果もあります。

気になることがある場合は遠慮なくお問い合わせください

正しい撮影をするために、撮影技師がポジショニング*を行ないますので、どうぞご協力をお願いいたします。また、圧迫板は一定以上の圧力はかけられないように設計されていますので、ご安心ください。ただし、痛みが強い方、皮膚や乳房に炎症や外傷があり圧迫できない方につきましては撮影を中止することがあります。
*ポジショニング:撮影機械に乳房をはさんで、圧迫し体位をとる

スムーズに撮影ができるためには

制汗剤やパウダーなどはよく拭き取って

マンモグラフィ検診にあたって、食事制限や事前に服用するお薬などはありません。撮影の範囲は乳房から脇の下を含めた部分になりますので、撮影の際は、制汗剤やパウダーなどが付いたまま撮影されると、乳がんのサインとなる石灰化に非常に似て写ることがあります。不要な再検査や必要以上の被曝を避けるためにも、この点にご注意ください。また髪の毛の長い方は、束ねておいてください。

ご自分で気付かれたしこりなどはお伝えください

以前に受けた手術や傷跡、いぼ、ほくろなど、またご自分で気が付かれたしこりなどがありましたら、その部分を問診表に記入し、また撮影技師にもお伝えください。正しい撮影と診断に非常に役立ちます。

マンモグラフィだけでは発見が難しい場合もあります

約10~15%の乳がんがマンモグラフィだけでは見落とされる恐れも

マンモグラフィは、手には触れないような非常に早期の乳がんの唯一のサインである石灰化をピックアップできるため、まったく症状のない方たちを対象とする検診の方法として、大変優れています。しかし、若年の方、授乳中の方、手術後の方、非常に乳腺の濃度が濃く不均一である方などの場合は、マンモグラフィだけでは、異常を写し出すことが難しい場合があります。質の良い撮影を診断が行なわれても、約10~15%の乳がんがマンモグラフィのみでは見落としとされる恐れがあります。

異常に気付いたら、医療機関へ受診

自分で触れて気になるしこりがある場合、あるいは気になる症状がある場合は、検診を待たずに、乳腺専門の医療機関を受診し、診療を受けてください。

医療機関について

乳腺専門の医療機関や、マンモグラフィ検診を実施している施設での受診

乳がんは、外科(乳腺外来など)で検診・診療を行なう場合が多く、病院によっては婦人科、放射線科の場合もあります。気になる症状がある場合は、乳腺専門の医療機関を受診してください。

認定を受けた医師や技師、施設のリストを参考に

検診でマンモグラフィを受けたい方は、「 検査設備が整った施設リスト 」や「 特定非営利活動法人 日本乳がん検診精度管理中央機構 」のホームページも参考にしてみてください。

毎月のセルフチェック(自己検診)を習慣にしましょう!

乳がんは、身体の表面に近い部分にできるため、観察したり触れたりすることで、自分で見つけることができる可能性が高いがんのひとつ。そこで、早期発見にためにも行なっていただきたのが、セルフチェック(自己検診)です。
生理が始まって1週間後、乳房のハリや痛みがなった、柔らかい状態の時に自分でチェックしてみましょう。閉経後の方は毎月1回、セルフチェック日を決めて行いましょう。
*乳房の変化を確認するため、チェック結果をノートなどに書きとめておくと良いでしょう。

指で触れてチェック

お風呂やシャワーの時、石鹸がついた手で触れると乳房の凹凸がよくわかります。
1)4本の指を揃えて、指の腹と肋骨で乳房をはさむように触れ「の」の字を書くように指を動かします。
そのときに、しこりや硬いこぶがないか、乳房の一部が硬くないか、脇の下から乳首までチェックします。
2)乳房や乳首をしぼるようにして、乳首から分泌物がでないかを調べます。

鏡の前でチェック

腕を高く上げて、ひきつれ、くぼみ、乳輪の変化がないか、乳首のへこみ、湿疹がないかを確認します。また、腕を腰に当ててしこりやくぼみがないかも観察します。

変化に気付いたらすぐに診察を

気になるしこりや変化を見つけたら、すぐに乳腺専門の医療機関で診察を受けてください。女性特有の病気なので婦人科を受診したり、外傷ではないからと内科を受診すると思っている人も見受けられますが、乳房の専門は乳腺科。
基本的に外科の中に設けられていることが多いのですが、病院によっては婦人科、放射線科の場合もあります。乳腺の専門医・認定医がいるかどうか受診前に問い合わせて確認しましょう。