聖マリアンナ医科大学ブレスト&イメージングセンター
福田 護
はじめに
1. 乳腺濃度とは
2. 乳房の構成とマンモグラフィ(図-1)
(1) 脂肪性:乳房内はほぼ脂肪組織である。マンモグラフィでは乳房全体がほぼ黒い。
(2) 乳腺散在:脂肪組織の中に乳腺組織が散在している(脂肪組織が70-90%)。マンモグラフィでは、黒い部分と白い部分が混じっているが、黒い部分が多い。
(3) 不均一高濃度:乳腺組織内に脂肪組織が混在し、不均一な濃度を呈する(乳腺内の脂肪組織が40-50%前後)。マンモグラフィでは、黒い部分と白い部分が混じっているが、白い部分が多い。
(4) 高濃度:乳腺組織内に脂肪組織の混在がほとんどない(乳腺内の脂肪組織が10-20%前後)。マンモグラフィでは乳房全体がほぼ真っ白である。
3. 高濃度乳房では病変を見つけにくい(図-1)
4. 高濃度乳房は病気でない(図-2)
5. 高濃度乳房と乳がんの発生リスク
6. 高濃度乳房をお知らせすべきか
7. 高濃度乳房を知らされない不利益
8. 高濃度乳房の追加検査
9. ピンクリボンアドバイザーとして
(1) マンモグラフィでは病変が見つけにくい高濃度乳房がある。
(2) 高濃度乳房は病気ではなく、保険治療の対象ではない。
(3) 高濃度乳房といわれても、慌てない。追加の検査を受けたい人、家族に乳がんがいるような人は、任意型検診で乳房エコーを受ける。